クロージングの心理技術21 ”データより例を”の感想
クロージングの心理技術21という営業に関するビジネス書
タイトルは魅力的だし買おうかどうか迷うなぁ。
でも内容がつまらなかったり、絶対に損はしたくないからよく考えてから決めたいなぁ。
そんな人に向け、この本を熟読した営業歴15年の現役営業マンの筆者が
本当に買う価値があるかないか内容もネタバラシしつつ検証していきます。
この本の構成は、クロージング(営業マンの契約に至る最後の締め)に必要な要素をきれいに21項目にまとめて解説しています。
今回は16-データより例を『最大の効果が上がる使い分け』197~203Pについて解説していきます。
1.予防接種
2.言葉で訴える
3.信頼性の転移
4.TTMのススメ
14.一貫性
17.メッセージの整理
18.自我の変形
19.重複
20.欠点を表に出す
21.長さは力
結論とオススメ度
結論から言います。この章で書かれていることは
”データより実際の効果や事例をイメージさせて売りこむ” という方法です。
例えば、
データを示す場合
このiPhoneは○インチで重量は○グラム、カメラの画素数は○画素です。
効果や事例の場合
この最新のiPhoneは手になじみやすい大きさで操作性も高く、混み合う電車の中や
ポケットやカバンから取り出した瞬間も片手で素早く操作できるので、非常に便利です。
重さも程よい重量感もあり、滑りにくい材質を採用しているので、手から滑り落ちて画面が割れてしまうような事故も軽減できます。
しかもカメラの画像は以前のモデルよりかなり向上したので、画像も綺麗なので長時間画面を見ても疲れません。
この2つの文を読み比べると、
データは事務的でつまらない
例はイメージしやすかったのではないでしょうか。
セールスやマーケティング界隈でよく使われる言葉として
”人は感情で買い理屈で納得する”という表現があります。
まずは、かっこいい、かわいい、きれい、使ってみたい、触ってみたい、など人は感情を動かされると買いたくなってしまう習性と
理屈(バーゲンで安かった、最後の1つだった、いつかは買い換えるものだから)で購入判断した理由付けをし、いかに自分の判断が正しかったかを示したがる。
今回のテーマに非常に沿ってますね。
営業マンは例を示し、見込み客の頭の中にリアルな状況を思い浮かばせて、感情を動かしていく。
そして見込み客を買いたいという気持ちにさせていく。
ここまでうまくいったら、最後にデータを示すことで一気にセールス成功の可能性がぐっと高くなります。
オススメ度 ★★★☆☆
実際に試してみた
“データより例”を試してみた結果は。。。
結果から先に言うとこの戦略は割と効果あります。
特にデータばかり話してセールスしていた人は、いかにつまらない営業をしていたかを理解できます。
悪くはないが、あまり見込み客を引きつけられないトークですね。
ただし、データも必要。
必要ではありますが、前半で見込み客に買う気になってもらってから、最後のダメ押しで使うと効果的ですね。
まず順番として実例を示して、見込み客の頭の中に具体的な画を描く。
この車を買って週末ドライブに出かけたら。。。
この家を買って家族で生活したら。。。
この洋服を買って彼氏に見せたら。。。
この最新iPhoneを買って使ったら。。
など、実際に使って便利になってるイメージや気持ちよくなったり幸せな状況を思い浮かべさせることで
お客さんが購入する気持ちになっていく。
前半 実例を示し買いたい気持ちにさせていく
後半 データを示して買う理由を説明していく
実際に試した結果は。。。
効果あります!
今まであまり意識したことはなかったが、実際に試してみたら
特に前半部分で見込み客の反応はよくなったので、
実際のセールス現場で使えるテクニックですね。
これは自然なセールスの流れができます。
まず例で見込み客が買いたい気持ちになったところで、買う理由のデータを示す。
特に前半の例をより具体的なものにすれば、かなりの確率で買いたい気持ちにさせられるので
営業マンはぜひ覚えておくと役立ちます。
イメージの重要性
実際に商品を使用している姿がイメージできることや、感情を揺さぶられるような『かっこいい、かわいい』、便利そう、使ってみたい
これらはすごく重要。
アップルiPodのCM 実際の製品についてはシルエットのみで全く見えないけど、なんかカッコいい、使ってみたい、と思った人はかなり多かったですね。
※今20歳くらいの人は世代ズレてるかな。。。
こちらは1984年 初代マックのCMですね。
もはやテロップしか出さないけど、とにかくすごい製品という印象。
おそらく自分がこの世代だったら、きっと買いたい!!と強く思ったに違いない。
マックについては、データはもちろん、世界を驚かせる革新的なコンピュータが発売するぞ!!というイメージ戦略だったんだろうけど
もう映画のワンシーンですよね。
カッコよくセンス抜群、こんな会社が作る製品はきっとすごいに違いない!こんな感情にさせられマックを買ったアメリカ人は多かったことは想像できますね。
まとめ
今回は”データより例を”を解説しました。
一般的な営業は、メリットやデータを示しがちですが、
今回よくよく考えたら、やはりデータも重要ですがイメージの方がセールスには重要なことがよく理解できたのではないでしょうか。
厳密に表現すると、まずはイメージ(例のこと)で興味を引くのが先で、ここで興味を持ってもらえたらデータを示して
購買の決断をダメ押しする!
このような形でセールスの流れを意識して作っていくことで成約率も上がりますね。
データと例
すごく有効で使えるテクニックですので、ぜひマスターしていきましょう
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。